試合の記録をきれいな形で残したい、大会に出す書類づくりを少しでもラクにしたい、と考えているチームのマネージャーに向けて、アプリで公式スコアシート形式のPDFを作る方法と、その使いどころをまとめました。
本記事は、バスケ作戦盤&スコアブックアプリ「BoardStrategist」の開発者が書いています。公式記録の扱いは日本バスケットボール協会(JBA)のTOマニュアルで確認し、アプリの操作は実装を確認した内容だけを書いています。
先に押さえたいこと:公式記録は大会のTOが紙で作る
大会の公式記録は、テーブルオフィシャルズ(TO)が紙のスコアシートに記入して作るのが基本です。JBAのTOマニュアル(簡易版・2026年4月1日版)によると、日本協会公認の公式スコアシートは色の異なる4枚つづりで、1枚目(白)が日本協会用のオリジナル、2枚目(青)が大会主催者用、3枚目(ピンク)が勝ちチーム用、4枚目(黄)が負けチーム用です。
試合が終わると、4人のTOクルーがサイン欄に署名し、審判の点検を受けます。アンパイアが署名し、最後にクルーチーフが署名して承認したところで、スコアシートは公式記録として仕上がります。
つまり公式記録は、署名と審判の点検がそろった紙のスコアシートです。今回確認したTOマニュアルには、アプリなどの電子スコアシートを公式記録として扱う記述は見当たりませんでした。紙のスコアシートの終了時の手順は試合終了後のスコアシート引き継ぎで詳しく紹介しています。
アプリのPDFは何に使えるか
この前提をふまえると、アプリで作るスコアシートのPDFは、公式記録の代わりではなく、チームの手元に残す記録として使うのが現実的です。たとえば次のような使い方があります。
- 自チームの試合記録として保管する
- 保護者や選手、指導者どうしで試合の結果を共有する
- 大会や協会に出す書類を作るときの下書きや、転記の元にする
アプリのPDFを大会に出す書類として使えるかどうかは、大会要項を読み、分からなければ主催者に確認してください。
BoardStrategistでPDFを出す手順
- スコア記録画面のヘッダーにある出力ボタン(試合結果を出力)を押します。試合を最終結果として確定したときにも同じ画面が開きます
- 「試合結果の出力」画面が開くと、スコアシートのPDFとExcelが自動で作られます。上部の切替は最初から「公式」になっています
- 生成が終わったら右上の「PDF・Excel」を押し、共有メニューから保存先や送り先を選びます
PDFは画面の「公式」表示をそのままA4縦1ページに収めたものです。画面で見た配置のまま、紙の大きさの1枚になります。Excelも同じ記入ルールで作られるので、あとで手直ししたいときはExcelを使います。PDFとExcelの使い分けはスタッツをPDF・Excelで共有する方法にまとめています。
自動で入る項目と空欄のまま出る欄
PDFには、試合中に入力した内容が紙の様式と同じ位置に入ります。一方で、審判や署名に関わる欄は空欄のまま出ます。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 自動で入る | 大会名、日付、時刻、会場、チーム名、選手名と背番号、先発の印、個人ファウル、チームファウル、タイムアウト、ランニングスコア、クォーターごとの得点、最終スコア、勝ったチーム |
| 空欄のまま | 主審・副審1・副審2、Game No.、コーチ・アシスタントコーチ、試合終了時刻、スコアラー・タイマーなどTOと審判のサイン欄 |
ランニングスコアは紙の書き方に合わせてあります。得点した数字に斜線を引き、外側の欄に得点者の背番号を入れ、3点シュートは背番号を丸で囲みます。フリースローは黒丸です。色はクォーターごとに分かれていて、第1・第3クォーターが赤、第2・第4クォーターが黒、延長は緑です。
大会名と会場は、試合を作るときに入力した内容が入ります。空欄の欄が必要なら、印刷してから手で書き込んでください。記入ミスに気づいたときの確かめ方はスコア入力ミスの見直し方で扱っています。
「詳細レポート」は別の機能
同じ画面には「詳細レポート」というボタンもあります。こちらは公式スコアシートの様式ではなく、スタッツと分析をまとめたPDFを作る機能です。押すと次の3つから選べます。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| サマリー(1ページ) | スコアと選手スタッツを1ページにまとめる |
| フルレポート(複数ページ) | アナリティクスとショットチャートを含む |
| 個人選手レポート | 選手1人のスタッツとショットチャート |
紙の様式に合わせた記録を残したいときは「PDF・Excel」、試合の振り返りや選手との面談に使う資料が欲しいときは「詳細レポート」、と考えると迷いません。
この流れをアプリで試したい場合は、App Storeのページで対応端末や機能を確認できます。
よくある質問
Q1. アプリで作ったスコアシートのPDFは、大会の公式記録として提出できますか?
A. 大会の公式記録は、TOが紙のスコアシートで作り、TOと審判が署名するのが基本です。アプリのPDFは自チームの記録や共有、提出書類の下書きに使うものと考えてください。提出に使えるかどうかは大会要項と主催者に確認してください。
Q2. 公式スコアシートのPDFはどこから出力しますか?
A. スコア記録画面のヘッダーにある出力ボタン(試合結果を出力)から「試合結果の出力」画面を開くと、PDFとExcelが自動で作られます。共有は右上の「PDF・Excel」から行えます。この画面は試合を確定したときにも開きます。
Q3. 審判の名前や署名はPDFに入りますか?
A. 入りません。主審・副審・Game No.・サイン欄は空欄のまま出ます。必要なら印刷してから手で書き込んでください。
Q4. サマリーやフルレポートと公式スコアシートは何が違いますか?
A. サマリーとフルレポートは、同じ画面の「詳細レポート」から作るスタッツと分析のPDFで、公式スコアシートの様式ではありません。サマリーはスコアと選手スタッツを1ページに、フルレポートはアナリティクスとショットチャートを含む複数ページにまとめます。