「今日、スコアお願いね」――ある日ふいにスコア係を頼まれて、正直どうしていいか分からない。そんな不安を抱えた保護者やマネージャーの方に向けて、この記事を書いています。試合はどんどん進むのに、点が入るたびに手が止まってしまう。ルールもうろ覚えで、誰が何点入れたか追いきれない。最初は誰でもそうです。
そこでまず多くの人がやるのが、ノートに正の字で数える方法です。手軽で分かりやすく、実際これでも試合の合計は追えます。ただ、しばらく続けると「これだけだと物足りない」と感じる場面が出てきます。この記事では、正の字集計のつまずきどころと、それをタップだけで解決するタリー入力という方法を、率直に紹介します。
本記事はiPad向け(iPhoneでも動作します)バスケ作戦盤&スコアブックアプリ「BoardStrategist」の開発者が書いています。後半でアプリの機能に触れますが、まずは「そもそもスコアってどう付けるの?」という段階の方は、先にバスケのスコアの付け方入門を読むと流れがつかめます。
正の字集計の「あるある」と限界
正の字は、初めてスコアを付ける人の強い味方です。「一」から「正」まで、線を足していくだけで数が分かる。特別な道具もいりません。まずはこれで十分に試合の得点を追えます。
ただ、何試合か付けていると、こんな「あるある」にぶつかります。
- あとから内訳が分からない。「このマスは15点」とは分かっても、それが2点シュート何本と3点シュート何本の組み合わせだったのかは、正の字だけでは復元できません。
- 項目が増えると表がごちゃつく。得点だけならまだしも、ファウルやリバウンドも数え始めると、どの正の字がどの選手のどの項目だったか、見返したときに迷子になります。
- 間違えたときの修正が汚い。数え間違いを二重線で消して書き直すと、あとで見たときにどれが正しいのか分からなくなります。
- 合計を出す作業が残る。試合が終わってから、すべての正の字を数え直して合計する手間が最後にのしかかります。
要するに正の字は「回数を数える」のは得意でも、「内訳を分けて残す」「あとから集計する」のは苦手なのです。ここが物足りなくなってきたら、次のタリー入力が向いています。
タリー入力なら見たまま数えるだけ
タリー入力は、正の字の「線を足していくだけ」という手軽さはそのままに、内訳と集計の弱点をなくした方法です。BoardStrategistのスコアブックには、この考え方をそのまま形にしたタリー(クイック)版があります。
画面は選手×項目の表になっています。縦に選手、横に得点(1点・2点・3点)、ファウル、リバウンド、アシスト、スティール、ブロック、ターンオーバーといった項目が並んでいて、起きたことのマスをタップすると+1されます。正の字で線を1本足す動作が、そのまま画面のタップに置き換わったイメージです。数字はマスの中に大きく出るので、今いくつ数えたかも一目で分かります。
そして正の字といちばん違うのが、間違えたら長押しで-1できる点です。多く数えてしまったマスを長押しすれば、その場でひとつ戻せます。さらにUndo(元に戻す)にも対応しているので、直前の操作をなかったことにすることもできます。二重線で消して書き直す必要はありません。試合はどんどん進みますが、修正がその場で片付くので手が止まりにくいのです。
数える対象を項目ごとに分けているので、「15点」の中身が2点シュート何本・3点シュート何本だったのかも自然に残ります。正の字では消えてしまっていた内訳が、タップの延長でそのまま手元に残る――ここがタリー入力のいちばんのメリットです。
クラシック版との使い分け
BoardStrategistのスコアブックには、タリー版のほかにクラシック版があります。せっかくなので、どちらがどんなときに向くかを正直にお伝えします。
クラシック版は選手→アクションの2ステップ入力です。まず選手を選び、次にその選手が何をしたか(2点成功、ファウル、リバウンドなど)を選びます。公式スコアシートに近い感覚で、1つ1つのプレーを丁寧に記録していく方式です。詳しく残したい試合――たとえば公式戦や、あとでしっかり振り返りたい大事な一戦には、こちらが向いています。
一方タリー版は、表を見ながらタップで数えるだけのシンプルな集計です。練習試合で気軽に付けたいときや、スコア係の人手が足りず一人で何項目も追わないといけないとき、あるいは「まずは合計と主要スタッツだけ取れれば十分」という日に向いています。2ステップを踏まない分、テンポよく数えられます。
どちらが上ということはなく、その試合の目的と人手で選ぶのがおすすめです。じっくり残したいならクラシック、サッと数えたいならタリー。試合ごとに使うモードを選べるので、無理にどちらかに統一する必要はありません。まずはタリー版で慣れて、慣れてきたらクラシック版にも挑戦する、という進め方も自然です。スコアの記録に慣れてきて数字の見方も知りたくなったら、スタッツ活用入門もあわせて読んでみてください。
数えた記録がそのままスタッツになる
タリー版でもクラシック版でも、入力した記録は自動でスタッツに集計されます。試合が終わってから正の字を数え直して合計する、あの最後のひと手間がまるごと不要になります。
タップで数えた内容は、そのままボックススコア(選手ごとの得点・リバウンド・アシストなどをまとめた一覧)になります。さらに、記録した得点やシュートの内訳は、シュート効率を表すFour Factorsのような一歩踏み込んだ指標にも反映されます。数える手間は正の字と変わらないのに、出てくる情報は段違いに増える、というのがアプリで集計するいちばんの利点です。Four Factorsについて詳しく知りたい方はFour Factors入門をどうぞ。
つまり、あなたが試合中にやることは「起きたことのマスをタップする」だけ。合計も、内訳も、その先の分析用の数字も、アプリが裏側で組み立ててくれます。スコア係の役割が「数える人」から「記録を残す人」に変わり、しかも負担はむしろ軽くなる、というわけです。
まずは気軽にタップから|BoardStrategist
BoardStrategistはiPad向け(iPhoneでも動作)のバスケ作戦盤&スコアブックアプリで、買い切り¥1,000・サブスクはありません。一度購入すれば、タリー版とクラシック版のどちらも使えます。
初めてスコア係を任された方は、まずタリー版で「タップ+1・長押し-1」の手軽さを試してみてください。正の字の延長で始められて、試合が終わればボックススコアまで自動で揃っています。慣れてきたら公式戦ではクラシック版で詳しく残す、と段階を踏めば、スコア付けが「不安な仕事」から「チームに残せる記録」に変わっていきます。
よくある質問
Q1. バスケのスコアを簡単に付けられるアプリはありますか?
A. あります。BoardStrategistのスコアブックには、選手×項目の表からタップで集計できるタリー(クイック)版があり、+1はタップ、-1は長押しだけで記録できます。正の字を紙で数えるのと同じ感覚で、間違えてもその場で戻せるため、初めてスコア係を任された方でも試合中に迷いにくい作りです。
Q2. 正の字での集計と何が違うのですか?
A. 正の字は「何回あったか」の合計は数えられますが、あとから内訳を分解しにくいのが弱点です。タリー入力なら得点(1/2/3点)、ファウル、リバウンド、アシスト、スティール、ブロック、ターンオーバーなどを項目ごとに分けて数えるので、合計だけでなく誰が何をしたかがそのまま残り、ボックススコアやスタッツに自動でつながります。
Q3. クラシック版とタリー版はどう使い分ければいいですか?
A. 公式スコアシートのように詳しく残したい試合はクラシック版(選手→アクションの2ステップ入力)、練習試合や人手が足りない日、まずは気軽に集計したいときはタリー版が向いています。試合ごとに使うモードを選べるので、その日の目的や人手に合わせて決めれば大丈夫です。
Q4. 入力を間違えたときはどうすればいいですか?
A. タリー版では、間違えて多く数えた項目を長押しすると-1で戻せます。加えてUndo(元に戻す)にも対応しているので、直前の操作をなかったことにできます。紙の正の字だと二重線で消して書き直すところを、アプリならその場でサッと修正できます。